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国立自然史博物館 その3 (Washington DC)

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鉱物(Minerals)コーナーの続きです。復習しますと鉱物とは「化学的にほぼ均質で、原子・分子レベルで三次元的な秩序配列(結晶構造)をもつもの」です。わずかながらに不純物が混ざったり、わずかながらの欠陥があると同じ分子構造でも色・硬さに違いが出ます。一方岩石は数種類の鉱物の集合体、すなわち混ざりものです。

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Silicateというパネルが出てきました。日本語に直すと“ケイ酸塩”です。ケイ素(Si)と酸素(O2)でできる鉱物です。どんなに複雑な構造式であっても、必ずSiとO2が入っています。

どうやら地球の表面はほとんど(89%)が“ケイ酸塩”で出来ているようです。“ケイ酸塩”にはFeldspar(長石)、Quartz(石英)、Layer silicates(層状ケイ酸塩)、Amphiboles(角閃石)、Pyroxenes(輝石)などがあるようです。

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まずは地殻の半分を構成するFeldspar(長石)の仲間たちです。「およそ岩石と呼ばれるものの中で長石を含まないものはない。」とまで言われる鉱物です。これはOrthoclase(正長石)です。構造式はKAlSiO8と表されるそうです。

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同じOrthoclase(正長石)でも色が白いものを写真の右に示しました。構造式は当然KAlSiO8ですが、さきほどの灰色のものとは「わずかながらに」不純物の違いか何かがあるのでしょう。
写真左のごつごつしたものはAlbite(曹長石)で構造式はNaAlSiO8です。

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2番目に多いのがQuartz(石英)です。これらはすべて構造式SiOで表される鉱物です。簡単な構造式なのにこんなにも色んな姿を見せてくれるとは改めて驚かされます。上段左のものはRose Quartz(紅水晶)、上段右はCitrine(黄水晶)、中段右はSmoky Quartz(煙水晶)、下段左はAmethyst(紫水晶)という別名が与えられています。「石英」はこのように「水晶」とも呼ばれます。

紅水晶はリン酸塩やアルミニウムなどが不純物として混じった場合に、煙水晶は不純物として混じったアルミニウムが地中で多量の放射線を浴びた場合にこのような色になるそうです。また紫水晶は鉄が不純物として混じった場合ににこのような色になり、黄水晶は紫水晶を熱処理することで作れるそうです。

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「カメオ」も石英からできていました。カメオの原料にも特別な名前が与えられていて、Onyxは日本語で「シマメノウ」と言うそうです。大学を卒業し、社会人として働くまでの短い春休みに母とヨーロッパ旅行をしました。母がイタリアのお土産に買っていたのを思い出します。今にして思えば少ないお小遣いの中から思い出を買っていたんだなあとしみじみ感じ入って見学しました。贅沢しなくたって子供は子供なりにいろんなことを覚えているものです。常日頃パパは娘に甘すぎると注意されています。ちょっと買い与えすぎているかも・・・。

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では三つ目の“Layer silicates(層状ケイ酸塩)”とは何でしょうか?パネルによればケイ素(Si)と酸素(O2)が平面状に結合し、その間に他の原子が挟まれているものと説明されています。そして粘土や沼地の主要構成成分とも書かれてありました。

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代表的なものとしてMuscovite(白雲母)が陳列されていました。これらは薄くはがれるのが特徴です。電気を通しにくい性質をもっていて絶縁体として用いられるほか、塗料としても使われるそうです。白雲母は耐熱性もあってアイロンなんかにも使われているそうです。

白雲母なのに黒っぽくないですか?Feldspar(長石)やQuartz(石英)はなんだかんだ言っても白っぽいもの、無色のものが多いので大雑把に「無色鉱物」として理解されています。それに対して雲母類は「有色鉱物」と呼ばれています。Amphiboles(角閃石)やPyroxenes(輝石)も有色鉱物です。

岩石は数種類の鉱物の集合体でした。つまりFeldspar(長石)やQuartz(石英)を多く含む岩石は白っぽくなり、雲母やAmphiboles(角閃石)、Pyroxenes(輝石)を多く含む岩石は黒っぽくなるということです。

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では四つ目Amphiboles(角閃石)は何でしょう?角閃石は似たような分子たちが隣どうし仲良く2本の手をつないでいる構造です。この構造は水分を保持しやすいんだそう。水気の多い岩石には角閃石が多く含まれているらしい。

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代表選手としてTremolite(透閃石)、Actinolite(緑閃石)が陳列されていました。うーん。こんなんだと一種類の鉱物というよりも混ざりものの岩石みたい。

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五つ目のPyroxenes(輝石)です。Layer silicates(層状ケイ酸塩)やAmphiboles(角閃石)に比べて直線的というか、平面的な広がりのない結晶構造をしています。パネルによれば着色しやすく、地球の表面よりは内部(マントル)に多い鉱物とのこと。

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代表選手としてDiopsite(透輝石)が陳列されていました。

Photo_10さて鉱物の話が長くなったので、岩石コーナーに移ります。岩石は数種類の鉱物の集合体、すなわち混ざりものでした。

岩石には堆積岩(長い間に堆積物が固まったもの)、火成岩(マグマが冷えて固まったもの)、変成岩(いったんできた岩石が熱や圧力を受けて内部構造が変わってしまったもの)に分けることが出来ます。

堆積岩の中で代表的なものはSandstone(砂岩)です。砂粒が長い間に固まったもので、主要な構成成分はFeldspar(長石)とQuartz(石英)です。前回のブログ(国立自然史博物館その2)で面白い形をしたフランス産の砂岩を紹介しました。あれです。

火成岩はマグマが急に冷えて出来たVolcanic rock(火山岩)とマグマがゆっくりと冷えて出来たPlutonic rock(深成岩)に分けられます。

液体だったマグマが急激に固まるとどんなことが起こるでしょう?またゆっくりと固まるとどんなことが起こると思いますか?

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皆さんは小学生の頃、食塩水を使って塩化ナトリウムの結晶を作る実験をしたことがないでしょうか?確か準備をした後、一日くらい置いて翌日に結晶を観察したのではないかと思います。また北国に暮らす人は寒ーい日の翌朝、自動車の窓ガラスに雪の結晶が出来ているのを見たことがあるはずです。

Crystal(結晶)とは原子や分子が空間的に同じ繰り返しパターンを持って配列する物質のことです。結晶が出来るにはある程度時間がかかるんですね。

Crystal(結晶)と対照的な物質がGlass(ガラス)です。対照的というのだから、繰り返しパターンを持たないで不規則に配列する物質ということです。

ガラスの作り方を知っていますか?ガラスは二酸化ケイ素(SiO2)に他の成分を色々混ぜて、高温で溶かしたあと、「急激に冷やす」と出来るのです。急に冷やされたせいでCrystal(結晶)になれなかったんですね。「出来損ない」といっては言いすぎでしょうか?「出来損ない」にしては美しすぎますけど。

前述の小学校理科の実験に戻りますが、一日だけでなく、もう一日放置しませんでしたか?もっと大きな結晶が観察できたのではないかと思います。こうしたことをふまえて火成岩の分類を考えてみましょう。

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マグマが急に冷えて固まったものがVolcanic rock(火山岩)、マグマがゆっくりと冷えて固まったものがPlutonic rock(深成岩)です。写真左のAと写真右のBはそれぞれどちらに分類されますか?

この顕微鏡的模式図の書かれた板はめくることが出来て、下には答えが書かれてあります。AにはVolcanic、BにはPlutonicと書いてありました。Volcanicでは結晶になれないガラスの部分が大きいのです。

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これはどうでしょう?札をめくるとAにはVolcanic、BにはPlutonicと書いてありました。Plutonicのほうが大きな結晶を作っていることがわかりますね。

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こちらはBasalt(玄武岩)。Volcanic rock(火山岩)の代表選手です。

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こちらはGranite(花崗岩)。Plutonic rock(深成岩)の代表選手です。

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さてもうひとつ変成岩というのがありました。いったんできた岩石が熱や圧力を受けて内部構造が変わってしまったもの、ということでした。これは岩石の変性理論を説明したパネルで、水平方向に熱変性、垂直方向に圧力変性があった場合、「左上の一個の石が色々と変化するよ。」ということを示しています。

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博物館では変成岩のことを「蝶の変態」を利用して、子供にも感覚的で判りやすいよう説明していました。このパネルでは左上にBasalt(玄武岩)を置き、その横に蝶の幼虫の写真を併置しています。

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Basalt(玄武岩)が地中で2000-4000気圧で圧迫され、更に350℃まで熱せられた時、花崗岩の内部構造に変化が起きてEpidote(緑れん石)とAlbite(曹長石)という鉱物が現れます。変成岩Greenstoneの誕生です。パネルではこの石の横にさなぎの写真を併置しています。

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Greenstoneが更に地中において18000気圧で圧迫され、更に700℃まで熱せられた時、石の内部構造に変化が起き、Garnet(ざくろ石)、Clinopyroxene(単斜輝石)という鉱物が現れます。変成岩Eclogite(エクロジャイト)の誕生です。

Photo_29パネルではエクロジャイトの横に美しい蝶の写真を併置しています。博物館は見学者にわかりやすいようパネルや映像を使って工夫してくれています。でも如何せん単語が・・・。

重要な単語とそうでない単語の区別がなかなかつかず、見学にはどうしても時間がかかります。本日の見学は終了。このあと隕石コーナーへ続きますが、ここまでの理解がやっとでした。

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